バックナンバー

  • 2025/12/08 (Mon) 07:40
    【不動産覚書】建築基準法と「道路」の鉄則
  • 2025/12/01 (Mon) 07:40
    【不動産覚書】「都市計画法」と「まちづくり」の関係
  • 2025/11/24 (Mon) 07:40
    【不動産覚書】地図上の「線」が持つ意味を読み解く
  • 2025/11/17 (Mon) 07:40
    【不動産覚書】官民連携(PPP)の核心 - リスクを制し、価値を最大化する
  • 2025/11/10 (Mon) 07:40
    【不動産覚書】不動産価値を変える「公共交通DX」の最前線
  • 2025/11/03 (Mon) 07:40
    【不動産覚書】複雑な不動産実務を突破する「思考のOS」の鍛え方
  • 2025/10/27 (Mon) 07:40
    【不動産覚書】不動産価値を高める「公共交通DX」の実務戦略
  • 2025/10/20 (Mon) 07:40
    【不動産覚書】「J-REITって何?」と聞かれたら。基本の「き」を1分で解説
  • 2025/10/13 (Mon) 07:40
    【不動産覚書】未来を先取る「スーパーシティ構想」と不動産のこれから
  • 2025/10/06 (Mon) 07:40
    【不動産覚書】不動産価値を再定義する「カーフリー化」という潮流
  • 2025/09/29 (Mon) 07:40
    【不動産覚書】2025年版不動産会社のIT導入補助金|失敗しない活用戦略
  • 2025/09/22 (Mon) 07:40
    【不動産覚書】相続土地国庫帰属制度の承認の壁と費用対効果。「売れない土地」の最終手段。
  • 2025/09/15 (Mon) 07:40
    【不動産覚書】「プロパンガススキーム」の光と影と新ルール
  • 2025/09/08 (Mon) 07:40
    【不動産覚書】なぜ今?「冷凍冷蔵倉庫」が不動産の主役になる理由
  • 2025/09/01 (Mon) 07:40
    【不動産覚書】除雪DXに学ぶ「選ばれる街」の条件
  • 2025/08/25 (Mon) 07:40
    【不動産覚書】不動産の価値を左右する「都市計画法」のキホン
  • 2025/08/18 (Mon) 07:40
    【不動産覚書】なぜ街のアップデートは止まるのか?再開発を巡る「大問題」の正体
  • 2025/08/11 (Mon) 07:40
    【不動産覚書】地盤工学の基本を知ろう
  • 2025/08/04 (Mon) 07:40
    【不動産覚書】空き家対策法改正のポイント
  • 2025/07/28 (Mon) 07:40
    【不動産覚書】社会課題を解決する「まちづくり」が不動産の価値を高める
  • 2025/07/21 (Mon) 07:40
    【不動産覚書】不動産ファンドを動かす「契約書」の勘所
  • 2025/07/14 (Mon) 07:40
    【不動産覚書】失敗しない不動産取引の要諦「不動産調査」とは?
  • 2025/07/07 (Mon) 07:40
    【不動産覚書】世界の成功事例から学ぶ「まちづくり」
  • 2025/06/30 (Mon) 07:40
    【不動産覚書】地域の可能性を引き出す「未来投資促進法」
  • 2025/06/23 (Mon) 07:40
    【不動産覚書】転売禁止特約は本当に守らなきゃダメ?
  • 2025/06/16 (Mon) 07:40
    【不動産覚書】都市計画法第53条の建築制限について
  • 2025/06/09 (Mon) 07:40
    【不動産覚書】2024~2025年 不動産M&Aの最新動向
  • 2025/06/02 (Mon) 07:40
    【不動産覚書】日本の都市計画制度の変遷
  • 2025/05/26 (Mon) 07:40
    【不動産覚書】近時の判例にみる法的トレンドの変化
  • 2025/05/19 (Mon) 22:07
    【不動産覚書】熊本の賃貸市場の現状、不動産価値を左右するESG・ZEH/ZEBへの対応
  • 2025/05/12 (Mon) 07:40
    【不動産覚書】日本の都市開発戦略とスマートシティの最前線について
  • 2025/05/05 (Mon) 07:40
    【不動産覚書】新築マンション市場の動向、土地活用の基本
  • 2025/04/21 (Mon) 07:40
    【不動産ノヲト】2025年の住宅ローン金利動向、インスペクション(建物状況調査)
  • 2025/04/14 (Mon) 07:40
    【不動産ノヲト】空き家特措法の改正が与えるインパクトとは?
  • 2025/04/07 (Mon) 07:40
    【不動産ノヲト】相続土地国庫帰属制度はなぜ使われないのか?
  • 2025/03/31 (Mon) 07:40
    【不動産ノヲト】日本銀行による政策金利引き上げが 不動産市場に与える影響と、定期借地権付き分譲マンションについて
  • 2025/03/24 (Mon) 07:40
    【不動産ノヲト】令和7年地価公示の概要と実務への活用ポイント
  • 2025/03/17 (Mon) 07:40
    【不動産ノヲト】いよいよ運用開始となる「盛土規制法」について
  • 2025/03/10 (Mon) 07:40
    【不動産ノヲト】「一時使用賃貸借契約の終了と売却計画」、「令和7年4月1日からの宅建業法の変更点」について
  • 2025/03/03 (Mon) 07:40
    【不動産ノヲト】住宅ローン不正利用問題と事故物件の告知義務強化
  • 2025/02/25 (Tue) 07:00
    【不動産ノヲト】ブロックチェーンが変える不動産取引の新常識
  • 2025/02/17 (Mon) 07:00
    【不動産ノヲト】建築基準法改正の影響は?4号特例廃止がもたらす変化と対策
  • 2025/02/10 (Mon) 07:00
    【不動産ノヲト】都市計画法とまちづくり
  • 2025/02/03 (Mon) 07:00
    【不動産ノヲト】まちづくりの要!地盤リスクとインフラ安全管理を見直す
  • 2025/01/27 (Mon) 07:00
    【不動産ノヲト】トランプ再選が不動産市場に与える影響とは?/最新判例と投資環境の展望
  • 2025/01/20 (Mon) 07:00
    【不動産ノヲト】2025年のまちづくりを考える
  • 2025/01/14 (Tue) 07:00
    【不動産ノヲト】AIが変える不動産取引と育児法改正が住まい選びに与える影響
  • 2025/01/06 (Mon) 07:00
    【不動産ノヲト】2025年の不動産業界トピックス
  • 2024/12/02 (Mon) 07:00
    【不動産ノヲト】「不動産トレンド最前線」~超長期住宅ローンの可能性~

【不動産覚書】地図上の「線」が持つ意味を読み解く

2025/11/24 (Mon) 07:40
━━━━━━━━━━━━━━━vol.1049 2025.11.24
不動産覚書 ~要点だけ。メールで届く、不動産の本質~
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

XXXXさん

おはようございます。村上です。

本日は冒頭に大切なお知らせがあります。

メルマガ配信スタンドの都合で、本メルマガの配信は今年いっぱいとなりました。 これまでお読みいただき、本当にお世話になりました。 最後まであと少しありますので、できるだけ有益な情報を発信していきたいと思います。

さて、11月も下旬となり、朝晩の冷え込みに冬の訪れを感じる季節となりました。 枯葉舞う郊外の物件調査などでは、寒さとともに身が引き締まる思いがします。

私たちが普段、当たり前のように接している「街」と「田園」。 実はこの境界線には、明確な「意思」が存在することをご存じでしょうか?

今回は、不動産調査の基本中の基本でありながら、お客様の資産価値に直結する「区域区分」と「まちづくり」について。

「なぜここは家が建てられないの?」 そんなお客様の疑問に、自信を持って答えられるプロの視点を再確認しましょう。

━━━━━━━━━━━━━━━━
■ メイントピック 地図上の「線」が持つ意味を読み解く
━━━━━━━━━━━━━━━━

不動産調査で必ず目にする「市街化区域」と「市街化調整区域」。 これは単なる色分けではなく、都市計画法というルールブックに基づく「街の役割分担」です。

この役割分担を、お客様にわかりやすく伝えるための「たとえ話」と「実務ポイント」をまとめました。

1.街の「リビング」と「庭」
この2つの区域の違いは、家の「間取り」に例えると非常にスムーズに伝わります。

● 市街化区域 = 「リビングルーム」 家族が集まり、食事をし、テレビを見る場所。 つまり、人が活動しやすく、道路や下水道などのインフラ整備を優先し、どんどん建物を建てて賑やかにしていくエリアです。 ⇒【実務メモ】資産価値は維持されやすいですが、用途地域による建築制限には注意が必要です。

● 市街化調整区域 = 「庭・家庭菜園」 自然を楽しんだり、作物を育てたりする場所。 むやみに開発せず、現状の自然や農地を守るため、原則として「建物を建ててはいけない」エリアです。 ⇒【実務メモ】「安いから」と安易に手を出すと、再建築不可やインフラ未整備のリスクがあります。 まずは「建築許可の見込み」を役所で徹底確認することが必須です。

2.都市計画法は「レゴの設計図」
都市計画法は、街という巨大なレゴブロックの「設計図」です。 どこに何を置くか、全体の骨格を決めるルールです。

しかし、設計図通りにブロックを積むだけでは、機能的ですが味気ない街になってしまいます。

そこで重要になるのが「まちづくり」という活動です。

3.ルール(法律)と彩り(まちづくり)
「都市計画法」がハード面のルールなら、「まちづくり」はそこに魂を吹き込むソフト面の活動です。

・公園に花壇を作る ・空き家をカフェにして交流の場にする ・地域のお祭りを企画する

これらは住民や企業が主体となって行う、街への「彩り付け」です。

私たち不動産業者が物件を見る際、法的な規制(スペック)を確認するのは当然です。 しかし、一歩進んで「その街でどんな活動が行われているか」を知ることは、その街の「将来性」や「温度感」を知ることと同義です。

「このエリアは法的な制限はありますが、地域の方々の活動でとても美しい景観が保たれていますよ」

そんな「プラスアルファの情報」こそが、スペックを超えた提案力に繋がるのではないでしょうか。

━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 編集後記 「線」の向こう側にある景色
━━━━━━━━━━━━━━━━

先日、市街化区域と調整区域のちょうど境界にある道を歩く機会がありました。

道の片側には新しい住宅が整然と並び、夕食の支度をする温かい明かりが漏れています。 対して、もう片側には稲刈りの終わった田んぼが静かに広がり、冬支度を済ませた大地が眠っているようでした。

地図上で見れば、一本の「線」でしかありませんが、そこには明確に「人間の営み」と「自然の営み」が区切られて存在していました。

昔の私は、調整区域を見ると「開発できない、扱いにくい土地だな」とネガティブに捉えがちでした。 しかし、寒空の下、田んぼを吹き抜ける凛とした風を感じた時、「この場所が守られているからこそ、都市の呼吸が保たれているんだ」と、腑に落ちる感覚がありました。

私たちが扱う不動産は、ただの土地や建物ですが、それは大きな街というパズルの大切な1ピースです。

法律という冷徹なルールと、そこに住む人の温かい想い。 その両方を翻訳して伝えることが、私たち不動産実務者の、本当の役割なのかもしれません。

今年も残りわずかですが、最後までお付き合いいただけますと幸いです。

━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 発行人 株式会社三成開発 村上哲一
熊本県熊本市中央区南熊本三丁目14番3号
くまもと大学連携インキュベータ108号
E-MAIL:murakami@3sei.jp
━━━━━━━━━━━━━━━━
不動産覚書:https://i-magazine.bme.jp/92/193/352/XXXX
熊本の開発許可申請:https://i-magazine.bme.jp/92/193/353/XXXX
「まち」を「つくる」:https://i-magazine.bme.jp/92/193/354/XXXX
熊本の登記測量:https://i-magazine.bme.jp/92/193/355/XXXX
熊本の経営事項審査:https://i-magazine.bme.jp/92/193/356/XXXX
━━━━━━━━━━━━━━━━
■ メールの配信解除はこちらから
XXXX
━━━━━━━━━━━━━━━━