【不動産覚書】なぜ今?「冷凍冷蔵倉庫」が不動産の主役になる理由
2025/09/08 (Mon) 07:40
━━━━━━━━━━━━vol.1038━2025.09.08━
不動産覚書~要点だけ。メールで届く、不動産の本質~
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XXXXさん
おはようございます。村上です。
「物流施設を探している」というお客様の声。
最近、特に耳にする機会が増えたと感じませんか?
Eコマースの拡大、医薬品や半導体といった新たな需要、そして物流業界の「2024年問題」。私たちの生活を支える裏側で、今、大きな地殻変動が起きています。
その主役が、単なる「箱」ではない、高度な機能を持つ「冷凍冷蔵倉庫」です。
今回は、今まさに不動産業界で”アツい”市場となっている冷凍冷蔵倉庫について、その需要の背景から、物件調査、そして用地仕入れのポイントまでを凝縮してお届けします。
新たなビジネスチャンスの輪郭が、きっと見えてくるはずです。
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■ メイントピック|なぜ今?「冷凍冷蔵倉庫」が不動産の主役になる理由
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私たちの生活スタイルの変化と社会構造の変革が、冷凍冷蔵倉庫の需要をかつてないほど高めています。その核心と、ビジネスに繋げるための視点を解説します。
1. 社会が求める「冷やす」技術。急増する需要の背景
なぜ、これほどまでに冷凍冷蔵倉庫が必要とされているのでしょうか。理由は大きく3つあります。
Eコマースの日常化
ネットスーパーや専門店のグルメお取り寄せが普及し、冷凍・冷蔵品の小口配送が爆発的に増加。商品を消費者に届けるまでの保管・中継拠点として不可欠な存在となっています。
食品以外のニーズ拡大
厳格な温度管理が求められるのは食品だけではありません。ワクチンなどの医薬品、品質保持が重要な半導体といった工業製品など、社会の最先端技術を支える分野でもその役割は増しています。
物流「2024年問題」の影響
トラックドライバーの労働時間規制により、長距離輸送のあり方が変化。全国に荷物を届けるため、荷物を中継し、別のドライバーへ引き継ぐ「リレー方式」が不可欠となり、その中継拠点としての冷凍冷蔵倉庫のニーズが全国で高まっています。
2. プロが見るべきはここ!物件調査の3つの急所
冷凍冷蔵倉庫は専門性が高く、調査には特有の視点が求められます。お客様の事業成功に直結する、最低限押さえるべきポイントを確認しましょう。
心臓部:冷却設備の状態
製造年とメーカー:設備の寿命や故障リスク、部品供給の可否を判断する上で基本情報となります。
メンテナンス履歴:定期的な点検・整備の記録は、設備の信頼性を測る重要な指標です。トラブルを未然に防ぎ、顧客の余計なコストを抑制します。
躯体:建物本体の実力
床の耐荷重:保管する荷物の重量はもちろん、走行するフォークリフトの重さにも耐えられるかは絶対条件です。
搬入口と荷捌きスペース:大型トラックがスムーズに出入りできるか。また、店舗ごとの仕分けなど、効率的な作業を可能にする十分なスペース(ドックシェルターの有無など)があるかも重要です。
インフラ:生命線となる電力
電力容量:冷凍機を24時間365日稼働させるには膨大な電力が必要です。既存の電力容量で足りるか、増設が必要な場合は大規模な追加工事費が発生する可能性があるため、事前の確認が不可欠です。
3. 「借りる」から「作る」へ。用地仕入れという新たな好機
既存物件が不足する中、ビジネスは「仲介」から「開発」へと広がっています。冷凍冷蔵倉庫を新たに建設したいという需要も急増しており、「用地仕入れ」が大きなチャンスとなります。
絶対条件はアクセス:大型トラックが通行可能な幹線道路へのアクセス、そして広域配送の鍵となる高速道路ICからの距離が、土地の価値を大きく左右します。
法規制とインフラ:倉庫建設が可能な「準工業地域」「工業地域」といった用途地域の確認。さらに、更地の段階で大容量の電力と水道が確保できるかは、事業計画そのものを揺るがす最重要ポイントです。
単なる「寒い倉庫」ではなく、現代社会のインフラとして機能する冷凍冷蔵倉庫。その本質を理解することが、お客様への最適な提案と、新たなビジネスの創出に繋がります。
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■ 編集後記|冷凍コーナーに映る社会の縮図
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先日、近所のスーパーの冷凍食品コーナーの品揃えが、ここ数年で劇的に変わったことに改めて気づかされました。
一昔前は、お弁当のおかずやうどんが中心だった場所に、今では全国の有名ラーメン店の味が並び、海外の本格的なスイーツまで手に入ります。家にいながら、これだけの「食」を楽しめるようになったのは、本当にすごいことだな、と。
そして、ふと思うのです。この小さな一袋が、自分の手元に届くまでに、どれだけ多くのプロセスを経ているのだろうか、と。
今回テーマにした「冷凍冷蔵倉庫」も、まさにその心臓部。メーカーの巨大倉庫から、高速道路沿いの中継拠点へ、そして各店舗へ配送するための地域の拠点へ。私たちの目に見えないところで、緻密な物流ネットワークが社会を支えている。
普段、何気なく手に取る商品一つにも、壮大な不動産戦略や物流計画が関わっている。そう考えると、私たちの仕事が、人々の豊かな生活と経済活動の基盤を創っているのだと、改めて背筋が伸びる思いがします。
次回も、少しでもお役に立つ情報をお届けできるよう努めます。
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■ 発行人
株式会社三成開発 村上哲一
〒860-0088 熊本県熊本市北区津浦町44番5号
E-MAIL:murakami@3sei.jp
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不動産覚書:https://i-magazine.bme.jp/92/193/207/XXXX
熊本の開発許可申請:https://i-magazine.bme.jp/92/193/208/XXXX
「まち」を「つくる」:https://i-magazine.bme.jp/92/193/209/XXXX
熊本の登記測量:https://i-magazine.bme.jp/92/193/210/XXXX
熊本の経営事項審査:https://i-magazine.bme.jp/92/193/211/XXXX
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XXXX
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XXXXさん
おはようございます。村上です。
「物流施設を探している」というお客様の声。
最近、特に耳にする機会が増えたと感じませんか?
Eコマースの拡大、医薬品や半導体といった新たな需要、そして物流業界の「2024年問題」。私たちの生活を支える裏側で、今、大きな地殻変動が起きています。
その主役が、単なる「箱」ではない、高度な機能を持つ「冷凍冷蔵倉庫」です。
今回は、今まさに不動産業界で”アツい”市場となっている冷凍冷蔵倉庫について、その需要の背景から、物件調査、そして用地仕入れのポイントまでを凝縮してお届けします。
新たなビジネスチャンスの輪郭が、きっと見えてくるはずです。
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■ メイントピック|なぜ今?「冷凍冷蔵倉庫」が不動産の主役になる理由
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私たちの生活スタイルの変化と社会構造の変革が、冷凍冷蔵倉庫の需要をかつてないほど高めています。その核心と、ビジネスに繋げるための視点を解説します。
1. 社会が求める「冷やす」技術。急増する需要の背景
なぜ、これほどまでに冷凍冷蔵倉庫が必要とされているのでしょうか。理由は大きく3つあります。
Eコマースの日常化
ネットスーパーや専門店のグルメお取り寄せが普及し、冷凍・冷蔵品の小口配送が爆発的に増加。商品を消費者に届けるまでの保管・中継拠点として不可欠な存在となっています。
食品以外のニーズ拡大
厳格な温度管理が求められるのは食品だけではありません。ワクチンなどの医薬品、品質保持が重要な半導体といった工業製品など、社会の最先端技術を支える分野でもその役割は増しています。
物流「2024年問題」の影響
トラックドライバーの労働時間規制により、長距離輸送のあり方が変化。全国に荷物を届けるため、荷物を中継し、別のドライバーへ引き継ぐ「リレー方式」が不可欠となり、その中継拠点としての冷凍冷蔵倉庫のニーズが全国で高まっています。
2. プロが見るべきはここ!物件調査の3つの急所
冷凍冷蔵倉庫は専門性が高く、調査には特有の視点が求められます。お客様の事業成功に直結する、最低限押さえるべきポイントを確認しましょう。
心臓部:冷却設備の状態
製造年とメーカー:設備の寿命や故障リスク、部品供給の可否を判断する上で基本情報となります。
メンテナンス履歴:定期的な点検・整備の記録は、設備の信頼性を測る重要な指標です。トラブルを未然に防ぎ、顧客の余計なコストを抑制します。
躯体:建物本体の実力
床の耐荷重:保管する荷物の重量はもちろん、走行するフォークリフトの重さにも耐えられるかは絶対条件です。
搬入口と荷捌きスペース:大型トラックがスムーズに出入りできるか。また、店舗ごとの仕分けなど、効率的な作業を可能にする十分なスペース(ドックシェルターの有無など)があるかも重要です。
インフラ:生命線となる電力
電力容量:冷凍機を24時間365日稼働させるには膨大な電力が必要です。既存の電力容量で足りるか、増設が必要な場合は大規模な追加工事費が発生する可能性があるため、事前の確認が不可欠です。
3. 「借りる」から「作る」へ。用地仕入れという新たな好機
既存物件が不足する中、ビジネスは「仲介」から「開発」へと広がっています。冷凍冷蔵倉庫を新たに建設したいという需要も急増しており、「用地仕入れ」が大きなチャンスとなります。
絶対条件はアクセス:大型トラックが通行可能な幹線道路へのアクセス、そして広域配送の鍵となる高速道路ICからの距離が、土地の価値を大きく左右します。
法規制とインフラ:倉庫建設が可能な「準工業地域」「工業地域」といった用途地域の確認。さらに、更地の段階で大容量の電力と水道が確保できるかは、事業計画そのものを揺るがす最重要ポイントです。
単なる「寒い倉庫」ではなく、現代社会のインフラとして機能する冷凍冷蔵倉庫。その本質を理解することが、お客様への最適な提案と、新たなビジネスの創出に繋がります。
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■ 編集後記|冷凍コーナーに映る社会の縮図
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先日、近所のスーパーの冷凍食品コーナーの品揃えが、ここ数年で劇的に変わったことに改めて気づかされました。
一昔前は、お弁当のおかずやうどんが中心だった場所に、今では全国の有名ラーメン店の味が並び、海外の本格的なスイーツまで手に入ります。家にいながら、これだけの「食」を楽しめるようになったのは、本当にすごいことだな、と。
そして、ふと思うのです。この小さな一袋が、自分の手元に届くまでに、どれだけ多くのプロセスを経ているのだろうか、と。
今回テーマにした「冷凍冷蔵倉庫」も、まさにその心臓部。メーカーの巨大倉庫から、高速道路沿いの中継拠点へ、そして各店舗へ配送するための地域の拠点へ。私たちの目に見えないところで、緻密な物流ネットワークが社会を支えている。
普段、何気なく手に取る商品一つにも、壮大な不動産戦略や物流計画が関わっている。そう考えると、私たちの仕事が、人々の豊かな生活と経済活動の基盤を創っているのだと、改めて背筋が伸びる思いがします。
次回も、少しでもお役に立つ情報をお届けできるよう努めます。
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■ 発行人
株式会社三成開発 村上哲一
〒860-0088 熊本県熊本市北区津浦町44番5号
E-MAIL:murakami@3sei.jp
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不動産覚書:https://i-magazine.bme.jp/92/193/207/XXXX
熊本の開発許可申請:https://i-magazine.bme.jp/92/193/208/XXXX
「まち」を「つくる」:https://i-magazine.bme.jp/92/193/209/XXXX
熊本の登記測量:https://i-magazine.bme.jp/92/193/210/XXXX
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